停車駅アウトライン |
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地 球 |
太陽系第三惑星。豊富な水と空気をたたえ、さらに太陽光の恵みを受けたこの星は、宇宙でも随一の美しさを誇るとともに、生命の進化と繁栄という面でも、類を見ない発展を遂げてきた。 同時に、はるか昔から宇宙に限りない夢と希望を抱き、挑戦を続けてきた地球人のバイタリティー溢れる活躍の成果は、今世紀における宇宙開発の主導者として結実した。 いま、地球人の経済・文化活動は広い宇宙の各所に及ぶようになったが、これに伴い宇宙には他の生命・文明が存在することも明らかになってきている。このような異文明との交流は、地球人にとってはさらに可能性を広げるものとして期待されているが、時に見られるいささか強引な手法には他の惑星から反発もあり、一部で問題化しつつある。 |
コロニー月見台 |
交通機関の事業者が、自社の乗客需要拡大を目指して沿線に住宅地を開発することは、古くからみられる手法であるが、この地球人向けスペースコロニー「月見台」は、まさにその宇宙版といえる。 開発主体は地球の衛星都市整備公団および優月鉄道と建設企業数社。地球から約15万kmの位置に、人口規模100万人程度を見込んで建造された。 当初は順調に入居者が増加したものの、地球自体の人口がやや減少傾向に入ったこともあり、現時点での人口は約20万人である。 一方、最近になって、はるか宇宙を目指し一度地球を発った旅人が、このコロニー月見台で途中下車し、そのまま定住するという現象がよく見られるようになった。このように決意が揺らぎ立ち止まる人々の間では、月見台は「迷いの街」と呼ばれているという。 |
信号衛星・如月 |
月から約5万km地球寄りに設けられている宇宙鉄道用の信号所。もともとこのあたりは空間軌道の複線化が困難だったため、銀河鉄道と優月鉄道の列車行き違い用に設置されたものだが、同時に現在、ここで交差する「オリオン・レール」と優月鉄道の相互乗り入れ拠点として整備が進んでいる。 オリオン・レールはペルセウスと金星を結ぶ高速路線だが、同鉄道が地球への路線開設を希望した際、競合する銀河鉄道がメガロポリス中央駅への乗り入れを許可しなかったという経過がある。 そこで、オリオン・レールはこの信号衛星・如月から優月鉄道に乗り入れるという形で、地球進出を目指している。現在整備中の接続ポイント完成の暁には、地球〜ペルセウス間直通特急の運行が開始される予定である。 また、このように鉄道の結節点としての発展を見込んで、地球や月面基地からここ如月への移住者、さらに商業・宿泊施設の開設者が現れ始め、非常に小規模ながら自治区を形成しつつある。 |
月 |
地球の唯一の衛星である月。月面基地の開発は、地球人の宇宙進出の第一歩であるといえる。 総勢54名による月面基地開発プロジェクトチームが乗り込んで以来一世紀、いまや基地の総人口は1,000万人を突破した。 人口の70%は地球人、20%は「ムーンピープル」と呼ばれる、月面基地で生まれた人々。そしてあとの10%はその他の異星人である。 基地は大きくアルファ・ベータ・イプシロン・ガンマの4ブロックに分かれ、それぞれが自治区として地球の国家のような枠組みを持つ。さらにその内部は農業生産、商工業、居住区など機能に応じて分かれている。 優月鉄道の月面基地駅はアルファ・ブロックに、月面基地新駅はガンマ・ブロックに存在する。 地球から見える美しい月が「水晶盤」と言われるのにちなんで、月面基地は別名「水晶宮(すいしょうきゅう)」と呼ばれている。 |